仮想と現実の真ん中あたり

主に舞台探訪とか聖地巡礼と呼ばれる記録をつづるブログ

「3月のライオン」,「咲-Saki-」ダブル探訪ツアー(速報版)

奇縁というものはあるもので、ある作品を追っているうちに別の作品に出会い、そして、そこから現実に思いがけない出会いに巡り会うことってあるんですよね。
今回は、そんな探訪レポです。


最初のきっかけは、第4巻が発売されたのを機に、羽海野チカ先生の「3月のライオン」を初めて手に取った時に遡ります。


3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)



将棋界で活躍する少年プロ棋士である桐山零くんを中心に、深く熱い人間ドラマが描かれる見応えのある作品ですが、これを読んでいると、見覚えのある背景がやたらと登場するんですよ。
それは…、


咲 Saki (1) (ヤングガンガンコミックス)

咲 Saki (1) (ヤングガンガンコミックス)



小林立先生の「咲-Saki-」と「FATALIZER」に登場する、隅田川沿いの風景。
「これはいつか行ってみたいなぁ」とTwitterでつぶやいてみたら、意外と早くそのチャンスが巡って来ました。


3月のライオン」と「咲-Saki-」を巡る舞台探訪、そこには意外で素敵な出会いが待っていました。


※今回、時間の都合で本家サイトの更新は無しで、ブログのみの更新です。
 また、今回の同行したid:riyotさんが既にレポを上げられていますので、ぜひそちらもご覧下さい。  
 ・[舞台探訪]咲-Saki- 聖地巡礼 今はあそこは代々木公園じゃ (ローリング廻し蹴り さん)


以下、続きで。

舞台探訪ルール
 ・舞台を荒らさないこと。 ・住民に迷惑をかけないこと。 ・舞台での行動は慎重に。
→協賛サイト:舞台探訪ルール

※「咲-Saki-」探訪関連の記事一覧は、キーワード「咲-Saki-」で。


今回の探訪をご一緒したのは、id:riyotことしらさん、そしてid:BMCSSXことMiyaさん。特にしらさんは探訪仲間から「隅田川マイスター」と称されるほど隅田川沿いの物件に通じた方で、そのしらさんから「月島OFFに行きませんか?」と誘われたなら、この機会を逃す手はないというもの。いそいそと長野から電車に乗って上京しましたよ。
お昼にJR新宿駅に集合して、出陣前にメキシコ料理屋で昼食&作戦会議。





もちろん、3人ともタコスをチョイスだじぇ(笑)
そして、小田急線で代々木駅へ。
 「小田急線って、『ステルヴィア』に出て来ますよねぇ?」
 「ああ、キャラが駅の名前なんですよね」
と、この辺の話が通じるのが同好の志ならではの嬉しい反応です(笑)
さて、そしてやって来たのが…、


咲-Saki-」 YG '10年 No.10 P259国立オリンピック記念青少年総合センター
全国編での清澄の合宿所!
そして、メインの舞台が東京に移っても…、


咲-Saki-」 YG '10年 No.13 P185青少年総合センター B棟裏
(拡大図)(拡大図)
相変わらずサプライズを届けてくれる、背景描写の職人芸は健在!
↑のモップの柄の描き込みに気づいた時には、思わずその場で3人で盛り上がってしまいましたw


そして、抽選会の日。
清澄メンバーは歩いて近くの営団地下鉄代々木公園駅へ向かいます。

咲-Saki-」 YG '10年 No.11 P89営団地下鉄代々木公園駅 入口
ヤオキン氏が手がけられた、陰影による遠近感のある背景がいい感じですね。
代々木公園周辺は緑も多く、長丁場を戦う清澄メンバーにとっては心休まる雰囲気であることでしょう。小林立先生、ナイスなチョイスです。
そしてここから、地下鉄千代田線に乗り込み…、


咲-Saki-」 YG '10年 No.11 P90営団地下鉄日比谷駅 出口
日比谷駅で降りて、そこから歩いて有楽町へ。


咲-Saki-」 YG '10年 No.11 P91東京国際フォーラム
そして着いた先は、全国高校麻雀大会会場である、東京国際フォーラムです。
長野から上京して、何気に地下鉄を使いこなす部長、ステキ! フツーの田舎者には、日比谷と有楽町が近くだという認識がありませんw


この東京国際フォーラムの中にもヤンガン最新号で舞台が登場しているのですが、ここでは時間の都合でスキップ。(実は私だけ集合前に取材してました)
ここから地下鉄有楽町線に乗って、次の目的地の月島まで一気に移動します。


3月のライオン」 第2巻 P35営団地下鉄月島駅 出口
月島駅の6番出口から地上に出ると、もうそこは「3月のライオン」の舞台、三月町。しら氏いわく、
「ああ、やっぱりこの出口で合ってた。見覚えがあったんですよ」
さすが隅田川マイスター、恐ろしいほどパーフェクトなナビゲート!w


それにしても、地下鉄1本の先が別の作品世界につながっているというのは面白い感覚ですね〜。これぞ、「異世界トラベラー」である我々、舞台探訪者ならではの醍醐味です。
そして、我々はさらに、「3月のライオン」の作品世界の奥深くへと分け入って行きます。


3月のライオン」 第1巻 P124佃小橋
川本家に行く途中の風景として良く登場する橋は、佃小橋。第2巻の表紙にも使われていますね。作中では背後の銭湯は「月の湯」になってますが、実際には「日の出湯」。
小林立先生の前作「FATALIZER」にも登場する、小林作品ともゆかりの深い橋なのです。
その佃小橋を抜けて行くと、住吉神社の鳥居が見えて来ます。


3月のライオン」 第3巻 P24住吉神社 鳥居
左奥に見える白壁の建物は、江戸時代の灯台を復元したものです。
このすぐ先、隅田川沿いに…、


3月のライオン」 第4巻 P56住吉水門
住吉水門があります。
そして、灯台の建物の階段を上って、この住吉水門を振り返ると…、


咲-Saki-」 YG '10年 No.09 P268住吉水門と聖路加タワー
これが「咲-Saki-」第63局ラストの風景となるのです。ディープな小林立ファンなら、前作「FATALIZER」にも同じ場所が登場することに気づくでしょう。
隅田川沿いをめぐる、「3月のライオン」と小林立作品の意外な競演です。
ここからさらに隅田川沿いに歩いて行き…、


3月のライオン」 第1巻 表紙隅田川中央大橋
↑の中央大橋を渡り…、


3月のライオン」 第2巻 P34霊岸島水位観測所
対岸にあるこの妙な三角形の構造物、これは、霊岸島水位観測所です。昔の東京湾の平均海面、つまり標高の基準点を観測していた施設なのです。


ところで、これを撮影したレンズは18mm相当(35mm換算)の超広角レンズなのですが、これでも構図が全部収まってません。
他にも自然に超広角な構図が複数登場するため、どうやら「3月のライオン」の背景は、18mm相当以下の超広角のレンズで撮影されているようです。
咲-Saki-」の背景も例外的に超広角な構図なのですが、さらにそれを上回る作品を見たのは、これが初めて。驚きの超広角背景です。


3月のライオン」 第1巻 P47佃大橋
↑は、隅田川沿いに下って来て、佃大橋。
当日はこの場所はみんなから「姉ちゃん」と呼ばれてました(笑) 言うまでもなく、零ちゃんと義理の姉の香子との印象的な葛藤のシーンで使われた舞台。
全員にキャラクター名で呼ばせてしまうとは、さすが「姉ちゃん」、強烈(笑)
時間の都合でいくつかの舞台をスキップしましたが、ここだけは押さえたいと思っていた名シーンの舞台です。


そして、隅田川沿いを離れてやって来たのは…、


3月のライオン」 第4巻 Chapter33 扉絵月島三丁目児童遊園
第4巻の一連の扉絵に登場する、月島三丁目児童遊園。
ところが…、


3月のライオン」 第4巻 Chapter37 扉絵月島三丁目児童遊園
なんと、遊具が撤去されているというオチでした。残念。
さて、最後の舞台、そして本日のクライマックスは…、


3月のライオン」 第3巻 Chapter23 扉絵もんじゃ太郎さん
第3巻の扉絵に登場する「もんじゃ次郎」こと、「もんじゃ太郎」さん。
こののれんをくぐると、ですね…、





なんと、店内で「3月のライオン」のポスターがお出迎えしてくれました! ハラショー!


3月のライオン」 第3巻 Chapter29 扉絵入り口
店内の描写もそっくりで、まさにここが舞台であることが実感出来ます。
メニュー表にはスタンダードな「太郎もんじゃ」とシーフード系の「次郎もんじゃ」が並んでいて、「『もんじゃ次郎』のネーミングはこれだったのか!」と思わず納得。
お店の方に伺うと、「3月のライオン」のファンの方は良くいらっしゃるそうで、メニューの中では扉絵中に登場する「鮭もんじゃ」が人気なのだとか。やはり皆さん良くチェックされてる!
という事で、せっかくなので「鮭もんじゃ」を注文。


3月のライオン」 第3巻 Chapter25 扉絵 
この具材が、職人の手にかかると…、





こうなるわけですね。トロッとした質感の具材に鮭の赤い身が彩り良く映えて、見た目においしそう! …実際、とてもおいしかったです(笑)


そして、許可をいただいて店内を撮影していたら、お店の方が「編集部さんからいただいたものがまだ残っていたので…」とおっしゃって、「3月のライオン」のポスターをいただいてしまいました。





うわぁ、すごい感激!
まるで、零ちゃんが癒された三月町の人情味の温かさが実感出来たような、そんな出来事でした。本当、月島に来て良かった〜。


最後になりましたが、もんじゃ太郎さん、素敵な時間をどうもありがとうございました!
そして、改めまして、当日ご同行いただいたしらさん、そしてMiyaさん、どうもありがとうございました〜!

 本記事内の「咲-Saki-」の画像の著作権小林立先生、「3月のライオン」の画像の著作権羽海野チカ先生にあり、ここでは当該作品の比較研究を目的として引用しています。