仮想と現実の真ん中あたり

主に舞台探訪とか聖地巡礼と呼ばれる記録をつづるブログ

『ARIA』新作発表! その静かな衝撃は…

ARIA』完全新作が2020年冬公開決定!

 5年の空白期間をへて、『ARIA』アニメーション制作公式から新作公開決定の発表がありました!

 既に原作が完結しており、これまで最終作とされて来た『ARIA The AVVENIRE』も未来の場面を含む綺麗な終わり方だったため、新作が発表されるとは予想もしてませんでしたが、これは嬉しいニュースでした。
 さて、このニュースはネット上をどのように伝わって行ったのでしょうか? ここでは、Twitter上のツイート数を分析することでその様子を見てみたいと思います。

Twitter上で見る新作発表の衝撃

 Twitter上における"ARIA"を含むツイート数を、公式発表時点から12時間分を時間単位に集計したのが下のグラフです。

 
  ※後述するような理由でツイート数は傾向程度に捉えて下さい。

 青線が"ARIA"(半角)と"ARIA"(全角)を含む日本語のツイート数(ただしリツイートを除く)、オレンジの線がそのうち「新作」を含むツイート数です。(海外のツイートも拾いたかったのですが、「ARIA」を含む無関係のツイートが多すぎたため断念)
 公式発表が4月14日の午後0時ちょうど。そこから即座にARIAファンが反応して、わずか半日のうちに多数のツイートがTwitter上を流れたことが分かります。そのうち「新作」を含むツイートが約半数ぐらいを安定して占めていることから、ファンがこの新作の話題で盛り上がった様子が伺えます。

 さて、ここでややこしい話ですが、Twitter上では、AというツイートとそれをリツイートしたBというツイートがある場合、AとBにはそれぞれ別のID(番号)が割り当てられて、区別されています。
 以前の『咲-Saki- 阿知賀編』再開の記事の時には、このリツイート分を収集していなかったのですが、今回はそれも含めて収集したため、リツイートの数もリアルタイムで追えるようになりました。
 そのリツイート数を含めたグラフが下図です。

 
  ※後述するような理由で数字は傾向程度に捉えて下さい。

 先のグラフに加えて緑色の線が、"ARIA"(半角)と"ARIA"(全角)を含む日本語のリツイート数です。
 通常のツイート数を上回る膨大なリツイート数がTwitter上を流れたことが一目瞭然です。
 これぞTwitterの拡散力、という感じですが、このリツイート数をもう少し詳しく調べてみることにします。
 今回のイベントの中で一番リツイートされたのは、もちろん冒頭に挙げた制作公式(@ARIATheAVVENIRE)のツイートです。
 このリツイート数(累計)の伸びを調べてみたのが、下のグラフです。

    ※後述するような理由で数字は参考程度に捉えて下さい。

 公式発表と同時に次々とリツイート数が伸びて行き、最大瞬間風速は296リツイート/分というすごい速さでした。(後述するように鍵アカのリツイートは拾えてないため、「少なくとも」というのが正確です)
 4月19日現在の全リツイート数が約5.2万ですが、約4時間40分でそのうちの半分がリツイートされた計算です。
 ここで、一番伸びが速かった午後0時付近を拡大して見てみます。

   ※後述するような理由で数字は傾向程度に捉えて下さい。

 ほぼ、線形にリツイートが伸びている結果になっていますね。
 さて、ここで疑問が湧いてきます。
 Twitterの拡散力は上のグラフで見るようにリツイートが原動力であるわけですが、私はその理由について今まで、一人のリツイートを見た二人がリツイート、二人のリツイートをそれぞれ二人が見て計四人がリツイート、とリツイートを重ねることにより、指数関数的なリツイート数になるからだ、と何とはなしに考えていました。
 ところが、上のグラフでは指数関数的増加ではなく、線形的増加になっています。
 この原因としては、下記の3つのケースが考えられます。

  1. 主に制作公式のフォロワーが、公式のツイートを直接リツイートした
  2. 制作公式のツイートを一人がリツイートし、そのリツイートをまた一人がリツイートし、さらにもう一人が…、というようにほぼ1本の経路でリツイートされた
  3. リツイート数は指数関数的に増加したが、リツイートする時間間隔もまた指数関数的に広がって行った

 この場合、1.のケースと考えるのが妥当でしょう。つまり、主にリツイートしたのは、既に制作公式アカウントをフォローしているファンが中心だった 、という仮説です。制作公式の4.7万人のフォロワー数に対して、これを若干上回る約5.2万のリツイートがされているというのもそれを裏付けています。
 もちろん、これは今回の告知が失敗だったということではありません。今回の告知は制作公式のフォロワー数を超えるリツイートがされており、ARIAクラスタ+αに告知出来たという点で十分以上の効果があったと考えられます。
 しかし、よく耳にする、Twitter上でクラスタを超えて急速に拡散されるデマのようなリツイートと、ファンクラスタ向けのリツイートは、違う伝搬の仕方をするもののようです。
 今回の分析でそれが分かったのが、私なりの収穫でした。

今回収集したデータの制約について

 上記に示したデータを収集するにあたっては様々な制約があり、必ずしもTwitter上の実態を完全に表すものではありません。「当たらずと言えども遠からず」と捉えてもらうのが良いでしょう。
 以下、その制約について記します。
 - 機械的検索の制約
  - "ARIA"(半角)と"ARIA"(全角)が入ったキーワードを機械的に検索している
   →たまたま「ARIA」を含む名詞など、一部が一致したツイートも拾ってしまう
 - Twitter検索の制約
  - 当然だが、鍵付きアカのツイートは拾えない