もともとは「今期でよく舞台探訪されている作品は何かな?」というゆるい好奇心から始めたツイート分析ですが、2020年春期は予想外に世の中の状況の影響を強く受けてしまったシーズンとなりました。
気が重い話題も少なくありませんが、記録の意味でシーズン中のデータを振り返ってみたいと思います。
※以下、新型コロナの影響と災害の話題を含みますので、それらの話題を避けたい方はご覧にならないで下さい。
2020年3月下旬~2020年6月の舞台探訪関連ツイートデータ
2020年春シーズンは、緊急事態宣言による外出自粛や放送中止となるアニメ作品が相次いだことにより、舞台探訪界は大きな影響を受けました。
その影響を見るため、2020年3月下旬から2020年6月の間にツイッター上で検索・収集した探訪関連のツイート数を視覚化してみます。
上のグラフが、舞台探訪関連のキーワードを含むツイートを投稿日単位で集計したものです。(検索条件は頁末)
青線が探訪関連のツイート全体数、橙色線がその7日間の移動平均です。灰色線の「探訪作品ツイート数」は、例えば宗教的な「聖地巡礼」等の目的外のデータを排除するため、舞台探訪アーカイブ Wiki*から抽出した舞台探訪作品の一覧の作品名(略称含む)が含まれているツイートを抜き出した数であり、黄色線はその移動平均です。
(Twitterの機械的な検索のため、「舞台探訪」等のキーワードが入ってないツイートは集計に入らず、逆に「行きたい」という願望のツイートや以前に行った探訪の再投稿など、現地に行っていないツイートも集計に入っています )
移動平均のグラフを見ると傾向がよく分かりますが、4月7日の緊急事態宣言発令以降は探訪ツイートが低迷しています。その傾向は5月14日の39県を対象とした緊急事態宣言の解除、5月25日の緊急事態解除宣言を過ぎても変わらず、6月19日の県をまたぐ移動制限解除の後になってようやく回復傾向が見えています。
先期のデータが無いため作品数減少の影響は分かりませんが、少なくとも移動制限が舞台探訪活動に与えた影響が大きかったことが見てとれます。
作品別の探訪ツイート累計数推移
次に、作品別にツイート数の累計の推移を見てみます。
これは、2020年4月~2020年6月の期間中の、舞台探訪関連キーワードと作品名を含むツイート数を作品別に累計をとり、上位の20作品の推移をグラフ化したものです。
※各週は月曜日開始の7日間で集計 ※6/29の週は6/30までの2日間のデータ
既存作品としては『響け!ユーフォニアム』が継続的に伸びてますが、これは地元の方が活動されているようです。
一方、今期の注目作はNetflixで配信中の『泣きたい私は猫をかぶる』でしょう。6/19の移動制限解除を待っていたかのように怒濤の取材が行われ、作品別3位に急浮上しました。
ここでは、その『泣きたい私は猫をかぶる』の中から、良く情報がまとめられているお二人の探訪者のサイトをピックアップしておきます。
泣きたい私は猫をかぶる舞台探訪【聖地巡礼】 : KEIHI旅日記 https://t.co/nfjohzzW3e#泣き猫#butaitanbou
— KEIHI@新刊委託中🍈 (@112233aabbccdde) June 20, 2020
愛知県常滑市が舞台となっている『泣きたい私は猫をかぶる』(泣き猫)の記事のご紹介となります。ネットフリックス限定配信の作品になりますが、この機会に家で素敵な映画鑑賞をしてみては。
ブログ更新しました。
— なづかり (@nadukari_h) June 20, 2020
Netflixで独占配信中の愛知県常滑市が舞台となっているアニメ作品「泣きたい私は猫をかぶる」の舞台探訪記事です。https://t.co/R85Ws6o6Db#泣き猫#泣きたい私は猫をかぶる#nakineko#聖地巡礼#butaitanbou pic.twitter.com/tDeTKCFJGj
令和2年7月豪雨の影響
さて、上記の作品別の累計数ですが、4~6月に加えて7月第1週まで入れると、20位圏外から『泣きたい私は猫をかぶる』と同率の4位に急浮上する作品があります。
※各週は月曜日開始の7日間で集計 ※6/29の週は7/5までの7日間のデータ
そう、『夏目友人帳』です。
7月3日から4日にかけて熊本県南部を中心に襲った豪雨は、一夜にして球磨川の氾濫や流域一帯の土砂災害などの甚大な被害をもたらしました。
ツイッター上には、『夏目友人帳』の舞台として人吉・球磨地方を知るファンからの悲痛な声があふれました。その様子を示したのが下のグラフです。
青線が「夏目友人帳」を含むツイート数、橙色線が「夏目友人帳」に加えて「舞台」,「聖地」と「熊本」,「人吉」,「球磨」,「芦北」,「八代」,「水上」,「湯前」,「多良木」,「あさぎり」,「錦」,「山江」,「相良」,「五木」,「肥薩」,「くま川」の各現地キーワードのいずれかが含まれるツイート数です。
ツイートに占める割合で見ると、7月3日~4日のツイートのうち、7月4日午前4時50分の特別警報前に現地キーワードが含まれるツイートは全体の約1%だったのに対して、発表後は約64%を占めています。
また、7月4日~6日の3日間で集計すると、「夏目友人帳」に加えて現地キーワードをツイートしたユーザーは1,513人で、1,611件のツイートが投稿されています。特定のファンのツイート数が伸びたわけではなく、幅広く被災地に心を寄せるファンの声が投稿されたことが分かります。
そんな中から一例として、『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』の主題歌を歌われたUruさんが投稿されたツイートを紹介します。
夏目友人帳の舞台である熊本の人吉市や八代市、市房ダム、西瀬橋、今大変なことになっているという事が本当にとても悲しいです
— Uru (@uru_super) July 4, 2020
美しい景色をこれ以上変えないで欲しい
雨、もう降らないで
鹿児島や熊本、大雨のひどい現地にいらっしゃる方々、どうか安全な場所にいて下さい
また、京都新聞さんが『無情の雨』という題名で心打たれるコラムを掲載されていますので、こちらもぜひご覧下さい。
www.kyoto-np.co.jp
今回の水害については、熊本県やふるさと納税サイトで支援ページが立ち上がっています。支援を考えられている方は参考にされてみて下さい。
- 7月4日からの大雨に伴う義援金の受付について(義援金、日赤・共同募金会を含む熊本県のページ)
https://www.pref.kumamoto.jp/kiji_34171.html - ふるさとチョイス災害支援(ふるさと納税)
https://www.furusato-tax.jp/saigai/filter?category_id%5B%5D=1159
※個人での支援物資の発送は、被災地の負担になるため避けましょう。
あくまでご本人の気持ちと都合次第ですので、「まとまったお金まではちょっと…」という方は、例えばコンビニ募金が始まった時にお釣りを募金したり、あるいは復興後の行ける機会に旅行先に選んだり、または復興のニュースが目についたらリツイートするなど、気がついた時に自分なりの応援をするのも、一つの形だと考えます。
最後に、管理人が昨年訪れた青井阿蘇神社(熊本県初の国宝指定。今回の水害で被災)の写真を貼っておきます。
被災地がいち早く復興し、またこの美しい人吉・球磨地方を訪れることが出来る日が来るのを願ってやみません。
今回のデータ収集方法について
今回のツイートの検索・収集条件は下記の通りです。