仮想と現実の真ん中あたり

主に舞台探訪とか聖地巡礼と呼ばれる記録をつづるブログ

ツイートデータで見る舞台探訪(2020年夏シーズン)

 Twitter APIで収集した、2020年夏シーズンの探訪関連ツイートデータです。
 今シーズンは新型コロナの影響を受けつつも、徐々に探訪活動にファンが戻り始めたようです。
 また、今回は各作品がどのぐらいのファンに支持されているのか調べるため、各作品別にツイートをしたアカウント数も集計してみました。
 では、その結果を見てみましょう。

2020年夏シーズンの舞台探訪関連ツイートデータ

 いきなり失敗談ですが、PCの電源を入れ忘れて、9月1日~5日の間の6日間のデータの取得に失敗してしまいました。(Twitter APIの無料枠だと過去1週間分しか取得出来ないため、取り逃すとやり直せない)
 そのため若干不正確なデータになっていますが、傾向的には外していないデータが取れたと思います。

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 ※上のグラフは舞台探訪関連のキーワードを含むツイートを投稿日単位で集計したもの。(検索条件は頁末)
 ※青線が探訪関連のツイート全体数、橙色線がその7日間の移動平均灰色線の「探訪作品ツイート数」は、例えば宗教的な「聖地巡礼」等の目的外のデータを排除するため、舞台探訪アーカイブ Wiki*から抽出した舞台探訪作品の一覧の作品名(略称含む)が含まれているツイートを抜き出した数であり、黄色線はその移動平均

 7月23日に大きなピークが見られますが、これは7月23日~26日の連休と、7月22日から開始された「Go To Travelキャンペーン」が重なった影響でしょう。
 ここで、前シーズンの探訪ツイートのデータを参照してみます。



 移動制限解除のピークの後、伸び悩んでいた探訪ツイートが、この「Go To Travelキャンペーン」開始で、一旦ほぼ同じレベルまで回復してます。
 その後、8月中旬から下旬にかけて伸び悩みますが、これは新型コロナ陽性者の増加や夏の猛暑の影響でしょうか?
 そして、9月に入ると探訪ツイート数は徐々に回復し、ついに9月下旬の連休以降は新型コロナの流行前の状態まで回復しました。
 このまま再流行が抑えられれば、舞台探訪活動もいわゆる「New Normal」期に移って行けそうな、そんな様子がデータを通して見えて来ます。

作品別の探訪ツイート累計数推移

 次に、作品別にツイート数の累計の推移を見てみます。
 これは、2020年7月~2020年9月の期間中の、舞台探訪関連キーワードと作品名を含むツイート数を作品別に累計をとり、上位の20作品の推移をグラフ化したものです。
 ※機械的な検索のため、実際に現地に行かなくても、作品名と「舞台」等を含むツイートを全て収集しています。

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 ※各週は月曜日開始の7日間で集計 ※6/29の週は7/1~5まで5日間、9/28の週は9/28~30までの3日間のデータ
 7月上旬に『夏目友人帳』のツイート数が大きく伸びていますが、これは以前の記事にも書いた通り、令和2年7月豪雨の影響です。今日からちょうど3ヶ月前になる7月3日~4日、『夏目友人帳』の舞台である熊本県球磨・人吉地方を豪雨が襲い、多くのファンから被災地に心を寄せるツイートが投稿されました。(その意味では「探訪ツイート」というのは適切でないのですが) 今なお復興の最中にある被災地の一日も早い復旧を願ってやみません。先の記事に支援関係のリンク先もありますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
 1位となったのは(今回はデータ欠損のため厳密ではありませんが)、『ゆるキャン△』でした。元々夏の探訪向きの作品のため徐々にツイートが伸びていましたが、9月21日に次シーズン放送開始の『ゆるキャン△SEASON2』のPVが公開されると、連休に合わせて怒濤の探訪活動が行われ、素晴らしいレポートがいくつも挙げられました。ここでは、そんな中からリツイート数が多かったツイートを紹介しておきます。


 さて、今回から新たに、各作品別にツイートをしたアカウント数を調べてみました。これにより、探訪ツイートが多くのファンによるものなのか、少数のアクティブなファンによるものなのか見えてくると考えたからです。
 早速、先の上位20作品のユーザーあたりの平均ツイート数を見てみましょう。

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 特にアクティブなファンに支えられた作品は『フルーツバスケット』,『五等分の花嫁』だったという事が分かります。『ゆるキャン△』と『響け!ユーフォニアム』はファン層の厚さとアクティブなファンの両方の要因で上位に来ていると見て良いでしょう。
 次に、探訪ツイートをしたユーザーが多い順に、20作品の推移を見てみます。

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 やはりここでも、『夏目友人帳』が舞台である熊本県を思い出したり、被災地に思いを至らせるツイートなどで、多くのファンに言及されたことが見えて来ますね。
 ここで2位に躍り出たのが『ヤマノススメ』。管理人にとっては意外だったのでツイートを追ってみて知ったのですが、『ヤマノススメ』と『駅メモ!』のコラボが8月17日から開始され、それで8月17日の週にツイートしたファンが一気に増加したようです。


 移動が多い探訪者と『駅メモ!』というのは、なるほど相性が良いコラボだと納得です。
 また、15位に『AIR』が浮上していますが、これは今年の9月12日が最初の『AIR』(ゲーム版)発売から20周年記念日になるため、探訪したり当時の探訪を振り返ったツイートが多かったことによるものです。ここでは特にリツイートの多かったツイートを紹介します。

 前シーズンは新型コロナの影響が大きかったのですが、今シーズンはその影響から徐々に脱却して、探訪活動にファンが戻り始めた様子が伺えました。このままここが転換点となり、当分はコロナ感染予防に十分気をつけながらも、探訪活動が継続出来る環境であることを願ってやみません。

今回のデータ収集方法について

 今回のツイートの検索・収集条件は下記の通りです。

  • 舞台探訪関連ツイートデータの検索キーワードは、"舞台探訪" OR "#butaitanbou" OR "聖地巡" OR "舞台巡" OR "舞台めぐり" OR "聖地めぐり" OR "モデル地めぐり" OR "モデル地巡り" OR "聖地探訪"
  • リツイートは検索しない(Twitterの検索設定は"-filter:retweets")
  • 引用ツイートは集計結果から除外
  • Botは集計結果から外す(同一ユーザーIDで3つ以上の重複ツイートがあるとBotと判断)
  • 次の作品は他の単語と混同の可能性があるためやむを得ず除外する→『ハル』,『ef』、『インフィニット・ストラトス』の略称の『IS』
  • 次の単語を含むものはプロモーションと判別して除外する「舞台めぐりコラボ企画」,「【キャンペーン情報】」
  • 週1回定期的に検索

 また、Twitterの検索APIに起因する制約は以下の通りです。

  • 機械的検索の制約
    • 「舞台探訪」等のキーワードが入ったツイートしか収集出来ない
    • 「舞台探訪」等のキーワードが入っていると、「行きたい」という願望のツイートや以前に行った探訪の再投稿など、現地に行っていないツイートも収集される
  • Twitter検索の制約
    • 鍵付きアカウントのツイートは収集出来ない