仮想と現実の真ん中あたり

主に舞台探訪とか聖地巡礼と呼ばれる記録をつづるブログ

青森紀行 津軽編(『NATURAL』舞台探訪[前編] )

 青森探訪2日目後半。
 ここからはうって変って、成田美名子先生の『NATURAL』の舞台を回ります。
 まずは、津軽半島北部から。

  初日目:下北半島編はこちら→青森紀行 下北半島編(『咲-Saki-』&『CLANNAD』舞台探訪 )
  二日目(前半):津軽編はこちら→青森紀行 津軽編(『CLANNAD』&『雲のむこう、約束の場所』舞台探訪 )

 舞台探訪者の心得
 ・舞台を荒らさないこと。 ・住民に迷惑をかけないこと。 ・舞台での行動は慎重に。


『NATURAL』(青森県 津軽半島北部)

 蟹田駅は『雲の向こう、約束の場所』の舞台として有名ですが、実は『NATURAL』にも登場します。
 初めて青森に合宿にやって来るミゲール達。高速バスで青森駅まで来た後(当時は東北新幹線が盛岡までしか開通してなかった)、JR津軽線に乗り換え、蟹田駅で迎えに来た西門の車に乗り換えます。

『NATURAL』 SCENE.5
『NATURAL』 SCENE.5


 ここから実際には竜飛崎を回ったわけですが、それはパスして竜飛崎からR339(そう、あの階段国道の続きです)で津軽平野を目指します。 途中眺めの良い眺瞰台で一休み。

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 さらに南下して…、

青森県中泊町 七ツ滝
『NATURAL』 SCENE.5

 岩肌を流れ落ちる七ツ滝の横で小休憩。(「車から降りなくても見れるぞ」と言いつつ、みんな降りてますが)
 さらにR339を南下、十三湖の手前でR339と分かれて、十三湖湖畔の「しじみラーメン和歌山 十三湖本店」へ。

しじみラーメン和歌山 十三湖本店
『NATURAL』 SCENE.5

 「メチャクチャうまい!」と堂本絶賛のしじみラーメンをいただきます。しじみのだしが良く出て、おいしかったです。十三湖は、あの『シノハユ』にも登場する(宣伝)島根県宍道湖と並ぶしじみの産地とのこと。
 (ちなみに、青森県内には『NATURAL』にも出て来る「十二湖」というのも別にあってまぎらわしいのですが…)
 さて、そこから事前に宵待月が見つけてくれた、作中に登場する展望台に行こうとしたのですが、これがどう見てもあまり手入れされてない、牧場の横の管理道路のような道を延々と分け入っていくハメになりまして…。

青森県五所川原市 唐川城跡展望台(反対側から)
『NATURAL』 SCENE.5

 そしてたどり着いたのが、ココ。一応、まだあった(けど、観光施設としては既に放棄されているような…)。宵待月がナビしてくれなければたどり着くのも怪しいぐらいでした。
 写真が反対側からなのは、下側はヤブになっていて同じ構図で撮れなかったため。おまけに、アブがブンブン飛び回っていて、結局、見つけてくれた宵待月は最後まで車から降りられなかったという…。

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 元は山城の跡だったんですね、ココ。 そして肝心の眺望はというと…、

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  岩木山津軽富士)が遠くに見えるはずが、台風の余波でまったく見えず。十三湖もあまりきれいに見えなかったのが残念。

 作中に、西門の義父の「天然の良港に恵まれまして、この村(筆者註:地理・歴史から推測するとかつての北津軽郡市浦村。現在の五所川原市市浦町)は国際的な貿易都市でした」というセリフが出て来ます。
 五所川原観光協会のサイトによると、鎌倉から室町時代にかけて十三湖砂嘴(「しじみラーメン和歌山 十三湖本店」のあたり)に豪族の安東氏が「十三湊」と呼ばれる港町を築き、当時は西の博多に匹敵する貿易都市だったとのこと。
 今は静かな湖畔ですが、意外な歴史に驚きです。

青森県五所川原市 安藤文化顕彰シンボル塔
『NATURAL』 SCENE.5

 展望台から南下して、やって来たのは山王坊日吉神社の鳥居。
 作中に登場し、さらには作中の山王丸家の名前の由来とも思われる神社です。

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 …って、これはシンボル塔で本来の鳥居じゃなかったのか!w
 ここにも安東(安藤)氏がからんでますね。安東氏が祀る一大霊場だったそうです。

 ↑こちらが古来の山王坊日吉神社の鳥居。この日は茅の輪が置かれていて、厳かな様子が感じられました。
 しかし、この日は時間も押していたので参拝まで出来ず。振り返ってみると参拝しておくべき物件だったか、と後悔したのは後の話。

『NATURAL』 SCENE.5

 ↑も作中に登場するカットで、シンボル塔最寄りの橋の欄干。
 実は反対側の欄干にも絵があり、「安東船」と書かれています。

 おそらく、これが安東氏が交易に使った船を再現したものなんですね。

 さらに南下して、津軽中里駅
 冬に二度目の合宿にやって来たミゲール達。以前に来た蟹田ルートは、作中でいわく「前のは山道だから大変なんだってさ」とのことで、津軽鉄道津軽中里駅まで来ます。ここら辺はさすがご出身の成田美名子先生。設定がきめ細かいです。

『NATURAL』 SCENE.6

 ↑さすがに23年も経つと駅舎も変ってますね。でも、「ここにふるさとがある」は変らなかった!

『NATURAL』 SCENE.6

 ↑は、案内板の「中里町」が「中泊町」に変っています。でも、「月桂冠」の看板はあった!

『NATURAL』 SCENE.6


 ちなみに、竜飛崎の探訪で触れた太宰治の生家(その名も「斜陽館」)はここから南に10kmほど。元の北津軽郡金木村(現在の五所川原市金木町)だそう。津軽つながりですね。
 津軽藩といえば、明治になってから歴史的因縁のある南部藩(と、戊辰戦争に敗れた会津藩が移転して来た斗南藩)と合わせて青森県編入されたということで、県内における津軽地方と下北地方の確執はTVのバラエティ番組のネタにされるぐらい有名な話です。
 実際に回ってみると、たしかに津軽地方と下北地方は、同じ青森県でも景観とか植生とか違うな~、という印象でした。

 青森探訪2日目はここまで。とりあえず津軽半島北部を回りました。
 次はいよいよ最終日、津軽半島南部を回ります。

 本記事内の『NATURAL』の画像の著作権成田美名子先生にあり、ここでは当該作品の比較研究を目的として引用しています。