仮想と現実の真ん中あたり

主に舞台探訪とか聖地巡礼と呼ばれる記録をつづるブログ

Nikon Z50がやって来た!

 長年愛用していたNikon D7000と(相方の宵待月の)D5600をドナドナして、我が家にZ50をお迎えした。
 以下、その試写録と、主に『咲-Saki-』探訪班にしか参考にならない買い物記である。

軽量・薄型なZ50

 注文から約2ヶ月、待ちに待った Z50がやって来た。ダブルズームキットである。


 早速、試し撮りに出かけてみた。いずれもJPEG撮って出し。
 まずは、キットレンズの広角ズーム Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z50 + Z DX 16-50mm


Z50 + Z DX 16-50mm


Z50 + Z DX 16-50mm

 ピクチャーコントロールをオートにしているせいか、自然に綺麗な感じの絵を出してくれる印象。いまどきは「自動で綺麗な絵にしてくれる」スマホから入るユーザー向けにこういう絵作りなのかな?(自分の好みで仕上げたい人はRAW現像すればいいいし) あと、APS-Cにしてはダーク側が良く粘る感じ。(フルサイズ未経験者の感想です)
 次は、同じくキットレンズの望遠ズーム Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

Z50 + Z DX 50-250mm

 これもなかなかの解像度で良く撮れる。普通の旅行記ブログ用なら、この2本で済んでしまいそう。
 せっかくなので、次は手持ちのレンズで一番画質が良いDX 16-80mm f/2.8-4E ED VR を引っ張り出して、マウントアダプターのFTZを介して接続。

Z50 + FTZ + DX 16-80mm

 これは広角側がF2.8なので、さすがに背景のボケが違う。けど、解像度だけで比較するなら、Z DX 16-50mm の方が上回る。値段もサイズも倍以上違うのに…。さすが最新設計のZマウント、おそるべし。

 ちなみに重さを比較すると、こんな感じ。

カメラシステム 質量
D7000 + DX 16-80mm 1,260g
D5600 + DX 16-80mm 945g
Z50 + Z DX 16-50mm + Z DX 50-250mm 990g
Z50 + Z DX 16-50mm 585g

 Z50なら、キットレンズをセットでバッグに入れても苦にならない!
 D7000の時には、出掛ける前に「よし、今日は撮影するぞ!」と気合いを入れる儀式が必要だったけど、Z50 だと「邪魔にならないから、とりあえず持って行くか」という気軽なノリでOK。
 Z50のおかげで、撮影本来の楽しさを取り戻せた気になっている。

 あえて難点を挙げるなら、APS-C用のZマウントレンズは、(2021年10月現在では)選択肢が圧倒的に少ないこと。現時点では、キットレンズと手持ちのFマウントレンズでしのいで、Zマウントレンズの拡充を待てる人向けな感が強い。(レンズ沼にハマらないという意味では、それも良いのかもしれない)

 それでも、Z50はフルサイズ機に対して格下感が少なく、コンパクトな APS-C機でもしっかり一眼らしさを楽しめる。Nikonの意地を感じる一品だと思うのであった。

なぜZ50だったのか?

 もう10年以上も愛用して来たD7000だが、だんだん使っているうちに次の3点が気になって来ていた。

  1. 自分にはやや重い
  2. モニターがチルト式でもバリアングル式でもないので、ローアングル撮影がつらい
  3. ローアングル撮影時の背面モニターでのライブビュー時のAFが遅い

 まず、歳とともに1.がつらくなって来た。主な用途は旅行用なのだが、旅行中ずっとカメラの重みに耐えながら歩くのは、旅本来の楽しさが削がれるようで、気が重くなって来ていた。
 さらに2.の理由も重なって、ここ最近はD7000でなく相方の宵待月のD5600を借りて持ち出すようになっていた。
 D5600はD7000より300g以上軽い事もあってしばらく便利に使っていたわけだが、今度は3.のライブビュー時のAFの遅さが不満になって来た。
 なぜこれがネックになるのか?
 これは『咲-Saki-』探訪の独特の事情で、『咲-Saki-』の背景には時々(正気とは思えないぐらいの)ローアングル構図が登場するのだ。

大阪府大阪市 中央公会堂付近
咲-Saki-』第173局 扉絵

 こんなローアングルだと、構図決めはもはやファインダーでは無理で、背面モニタによるライブビューを使うしかない。
 ところが、D5600は(D7000も)ライブビュー時のAF(コントラストAF)が遅いのだ。歳をとるとローアングル撮影は姿勢がつらいのでさっさと終わらせたいのに…。というわけで、D5600にも物足りなさを感じて来た。(それ以外に大きな不満は無かったのだが)
 というわけで、次のカメラ選びの条件は、下記の4つに決まった。

  1. 軽いこと
  2. 背面モニターがチルト式かバリアングル式なこと
  3. ライブビュー撮影時のAFが早いこと
  4. 出来れば手振れ補正内蔵(ローアングル撮影時はホールド性が良くないので)

 その結果、候補は次の3つのミラーレス一眼に絞られた。

  • Nikon Z50 … EVFの出来が良く、今までのレンズ資産が使える
  • SONY α6600 … 手振れ補正が付いて、レンズが豊富
  • FUJIFILM X-S10 … 手振れ補正が付いて、絵作りが独特

 これが最初に買うカメラだったら、α6600か X-S10の方が条件に合っている。(ちなみに、Z fcはホールド性で除外)
 しかし、ここでまた『咲-Saki-』探訪の特殊事情があって、超広角レンズから魚眼まで揃えないと原作の背景の構図がカバー出来ない。これをイチから新たに揃えるのは予算的に厳しく、当面は手元にあるFマウントレンズを使いたい。
 そうすると、α6600 と X-S10 では3rdパーティー製マウントアダプターで使うしかなく、信頼性に不安が残る。レンズ遊びが目的ならそれでもいいのだけど、探訪先で目的の写真が撮れないリスクは取りたくない。そうなると、選択肢は Z50しか残らない。

 Z50には本体側手振れ補正が無いのがネックだが、そこはISOを上げてシャッター速度を上げてカバーする、と割り切る。D7000にも無かったけど、それで後悔するほど困った記憶は無かったし。

 …というわけで、思い起こせば管理人の一眼ライフはD50のダブルズームキットから始まったわけで、結果的にはこれ以上ないぐらい順当な結論にたどりついた次第。
 (ちなみに、気になっている方もいらっしゃるかもしれないので一言添えておくと、D5600を手放した宵待月は、さらに軽量化してスマホ派になったのでありました)

 本記事内の『咲-Saki-』画像の著作権小林立先生にあり、ここでは当該作品の構図検証を目的として引用しています。