仮想と現実の真ん中あたり

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(ネタバレあり)ポスト・ノワールとして読む「機龍警察」

機龍警察 自爆条項〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

機龍警察 自爆条項〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

『あんたと私は黒い糸で結ばれている』
アニメ「ノワール」のヒロイン、ミレーユと霧香。黒い糸で結ばれた二人。これは、そのポスト・ストーリーにちがいない。


…と、そんな感想が湧いたのがコレ、「ノワール」の脚本を手がけられた月村了衛氏の初の小説シリーズ、「機龍警察」。
一言で言うなら、近未来のSF的な設定とサスペンス、そして警察小説の面も合わせ持った本格的なアクションストーリーです。
様々な複雑な要素から成る本作ですが、物語を織りなす縦糸がテロと警察組織の戦いとするならば、横糸は個性的な各キャラクターが描く人間模様です。
そして、「ノワール」ファンである管理人にとっては、その横糸の中でも特に二人のヒロイン、ライザ・ラードナー警部と鈴石緑主任の関係に、ミレーユと霧香の二人の匂いを感じ取ってしまうわけです。


そんなわけで、以下、独断と偏見による、“ポスト・ノワール”としての「機龍警察」の読み解きです。
(以下、「機龍警察」と「ノワール」のネタバレを含むため、畳んでおきます。未読の方は自己責任でお願いします)

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