仮想と現実の真ん中あたり

主に舞台探訪とか聖地巡礼と呼ばれる記録をつづるブログ

舞台探訪と京アニの目線

石原監督は「鍵っ子」 葉鍵スレ住人の反応
遅いコメントですが、自分が言わないと他の誰も言及してくれそうにないネタなので、あえて言及。


AIR」,「Kanon」そして「CLANNAD」と続くKEY原作-京アニ製作のアニメは、“舞台探訪”というファン活動の立場から見ても、エポックメーキングな作品群だと思います。
それは、「製作者も、舞台探訪をするファンと同じ目線に立っている」作品だ、という点です。


今までも、ファンの“舞台探訪”を明確に意識した作品はありました。
例えば、多数の舞台探訪者を出現させた「おねがい☆ティーチャー」の第2作目、「おねがい☆ツインズ」では、製作者自ら「舞台探訪の時にも楽しめるように制作した」と明言されています。
では、それらの作品に比べて、京アニ作品は一体どこが違うのか? それが典型的に表れているのが、下のカットです。

京アニKanon」 第4話 「休日の奇想曲 〜caprice〜」より


第4話での名雪たちの通う学校の校内の背景なのですが、普通では、これはありえない構図なのです。それは、なぜか?
背景右側の校舎は、東京都内の某学校がモデルで、原作中にも登場した構図ですから、まぁ、これは納得出来ます。
ありえないのは、左側の体育館の外観で、これは岡山県の某学校がモデルなのですが、この構図は原作には登場していません。
実は、原作に登場した体育館(舞踏会会場)のモデルは、この体育館の内部であって外観ではないのです。
この体育館が「Kanon」原作のモデルらしいという情報は以前からネットで流れていて、かく言う管理人もはるばる現地まで見に行った事があります。もちろん、見に行ったところで中が見られない(つーか入ってはいけない)わけですから、せめて体育館の外観だけでも、と思って撮影して帰って来ました。
つまり、これは、そんな「あらかじめ内部を撮影出来ない事を知っていて、それでもやむにやまれずに現地を訪れた、コアな舞台探訪者だけが目にする事が出来る光景」だという事実。
そして、その体育館の外観を、原作の学校の校舎の横に置く、という確信犯的な構図。
これが何より、「製作者も舞台探訪者と同じ目線に立っている」事を示している一例なのです。


「原作の舞台探訪をしてしまうほどの製作者が作るアニメ化作品」に幸いあれ、と願わずにはいられません。