仮想と現実の真ん中あたり

主に舞台探訪とか聖地巡礼と呼ばれる記録をつづるブログ

舞台探訪者インタビュー 第1回 準急鷲羽さん(第3部後半/第4部) 公開



舞台探訪者インタビュー 第1回 準急鷲羽さん 第3部:『鷲羽スタイル』の確立−「Kanon」@横浜・札幌−(2/2)


準急鷲羽さんへのインタビューも、ついに最終回になりました。
最終回は、第3部後半と第4部を合わせてお送りします。


インタビューに応じていただき、また公開の許可をいただいた鷲羽さんに感謝いたします。
本当にどうもありがとうございました!


さて、このインタビューを終えた後、鷲羽さんとご一緒に、都内の私の取材物件に出かけました。
漫画のわりに設定のしっかりした背景には、鷲羽さんも感心したご様子。
  鷲羽「これって、麻雀漫画なんですよね?」
  USO「ええ、ちょっと変わった設定でしょ?」
このインタビューが行われた年の年末にアニメ化が発表される作品、その名前は、「咲-Saki-」と言いました。

■同時探訪時代のサイトスタイル

アニメ放送と同時に探訪するスタイルを最初に導入したのが、準急鷲羽さんだったのかは正確には不明です。
しかし、それを洗練された形で認識させてくれたのは間違いなく鷲羽さんだと思いますし、その後のトレンドとして「同時探訪」スタイルが注目され続けているのは事実です。


さて、同時探訪系のサイトが登場する前夜のアニメ系舞台探訪サイトの傾向は、次のようなものでした。
(以下、続きで)


■従来のアニメ系舞台探訪サイトの傾向

No.スタイル速報性手間アクセス数
別格大手サイトさんの記事それぞれ
1日記・ブログスタイルそれぞれ
2旅行記・網羅スタイル×△持続的


このうち、私のサイトは、2.の傾向で、年に1,2度というマイペースで旅行して、「作る手間はかかるけど、ファンにもそこそこ見てもらえる」あたりでバランスしていました。
しかし、京アニKanon」と同時に席巻した「同時探訪系サイト」がネットにもたらしたのは、次のような傾向でした。


■最近のアニメ系探訪サイトの傾向
No.スタイル速報性手間アクセス数
別格大手サイトさんの記事それぞれ
1同時探訪・網羅サイト××
2日記・ブログスタイルそれぞれ
3旅行記・網羅スタイル×××


有力なサイトさんが迅速かつ大量に情報を網羅してしまった後だと、そこから後追いで取材しても、既に情報提供の意味が無くなってしまっているのです。
しかも、「Kanon」以降の京アニ作品等では、その背景の量も膨大。網羅的なサイトを作る手間は、取材にしてもサイト作りにしても並大抵ではありません。
(だからこそ、1.のスタイルを成し遂げた準急鷲羽さんの活動は「超人的」と呼ぶにふさわしく、私もインタビューを思い立ったわけなのですが)


いくら「趣味は自己満足の世界」とは言え、手間をかけるからには、やはり見てもらいたい気持ちがあります。
しかし、京アニクラスの作品を正面から手がけるとなると、網羅的なサイトを作るために膨大な手間を覚悟するか、あるいはそこそこの手間で済む2.に落ち着くか、という両極端、あるいはその間の選択になってしまいます。


その状況に当時の管理人が悩んだ末の選択が、「手間が少なくても密度は高い。分かる人に分かってもらえるマイナーな良作の舞台を紹介する」サイト作りへの方向転換でした。
その第1弾が志村貴子先生の「青い花」。そして第2弾が、小林立先生の「咲-Saki-」でした。


…それが、その後ちっとも「手間が少ない」事にならないとは、当時の管理人には知るよしもなかったわけなのですが。