青森紀行 津軽編(『NATURAL』舞台探訪[後編] )
青森探訪3日目にして最終日。
前日に引き続き、成田美名子先生のコミック『NATURAL』の舞台探訪。今回は、津軽半島の南半分の舞台を回ります。
初日目:下北半島編はこちら→青森紀行 下北半島編(『咲-Saki-』&『CLANNAD』舞台探訪 )
二日目(前半):津軽編はこちら→青森紀行 津軽編(『CLANNAD』&『雲のむこう、約束の場所』舞台探訪 )
二日目(後半):津軽編はこちら→青森紀行 津軽編(『NATURAL』舞台探訪[前編] )
・舞台を荒らさないこと。 ・住民に迷惑をかけないこと。 ・舞台での行動は慎重に。
『NATURAL』(青森県つがる市 高山稲荷神社,JR木造駅)
本日のメインは、つがる市にある高山稲荷神社。
キャプ画の準備をしている時に作中のカットを見て、「ここは絶対に行きたい」と思っていたところ。
3日目はようやく台風の影響も消え、暑くなる予報のため、早めに宿を出て到着。
社務所前を通り過ぎて、まずは石段を登ります。
一旦拝殿前を通りすぎて、また石段を下って、龍神宮へ。
御神域の雰囲気が強まって来ます。
ここをすぎると千本鳥居。そう、京都の伏見稲荷大社のような千本鳥居がここにあるんです。
そして、ついにたどりつきました。
『NATURAL』SCENE.5にて、アリーシャが「ドミノの向きは変えられないのかな」と独白するシーンです。千本鳥居をドミノに見立てた、名カットと言って良いでしょう。ここまで来た甲斐があった!
アリーシャの「ドミノの向きは変えられないのかな」に対して、↑でJRが「てっぺんからけ倒したくなんない?」と言っているので、ここでは二人がすれ違っているという描写なのでしょう。
上から俯瞰して眺めてみると、千本鳥居と沢の流れが龍のようにうねって、奥の龍神宮まで続いてる様子が見事。
この神社では、全国から行き場を無くした狛狐を魂抜きした上で並べて供養しているそうで、なかなか壮観な眺めです。
拝殿前の手水舎は、この時期ならではの紫陽花の花手水で、とても美しかった!
と、普通に観光として感激出来た参拝だったので、青森に旅行に行く時にはおすすめです。高山稲荷神社のサイトで動画や写真で神社の様子が紹介されているので、その魅力の一端でもご覧いただくと良いでしょう。
ところで、その高山稲荷神社のサイトを見ると、「御由緒」のページに、
江戸時代の古地図には、高山の地は三王(山王)坊山と記されており、当社の境内社である三王神社御創建の社伝には、山王坊日吉神社を中心に十三宗寺建ち並ぶ一大霊場があり、安藤氏の祈願所として栄えるも一四四三年(嘉吉三)[または、一四三二年(永享四)]頃に南部勢の焼き討ちにより焼失。この時、山王大神様が黄金の光を放って流れ星のように高山の聖地に降り鎮まれた、と伝えられる。
(引用元:高山稲荷神社公式サイト)
とあり、こんなところにも津軽と南部の確執が! と頭を抱えてしまいますが、それはさておき、実は信仰の中心地が昨日見た山王坊日吉神社と入れ代わった歴史があるとは、予想外な『NATURAL』舞台探訪の御利益でした。ありがたや、ありがたや。
高山稲荷神社を離れ、メロンの直売所が並ぶ、その名も「メロンロード」を南下、その後東へ向かって、JR木造駅へ。
…出ました。巨大な遮光器土偶が駅舎にめり込んだような圧巻の光景。ここがJR木造駅です。
つがる市内の亀ヶ岡遺跡から出土された遮光器土偶をアイコンにするのはともかく、どうしてここまで巨大化する必要があったのか? …インパクトがあって大変面白いから良いのですが。
↑作中に「電車が入ると目が光る」とあるので待ち構えて撮影してみたけど、光ってるのかどうか今ひとつ分からず…。
目が奥に引っ込んでいるため、望遠気味で撮らないと中の光が見えないようです。
駅のキオスクには遮光器土偶のマスコット、その名も「しゃこちゃん」グッズがいっぱい。しゃこちゃんTシャツが買えなかったのは残念だけど、代わりにしゃこちゃん手ぬぐいとしゃこちゃん煎餅を買い込んだのでした。
最後のおまけ。夏合宿でミゲール達の高速バスが着くJR青森駅。
旅の最後に立ち寄りました。屋根が出来ていて、本作の見上げる構図では撮れません。代わりにバス停から撮りましたが、だいぶ変っていて微妙ですね…。
いつもの舞台探訪旅行では観光地らしい場所に立ち寄る機会が少ないのですが、今回は普通に景勝地を回った旅行でした。
そもそも『NATURAL』の青森編自体が、成田美名子先生自ら案内図を描かれてらっしゃるように、どうも青森の観光地紹介を兼ねたフシがあり、今回はありがたくその趣旨に乗って堪能させていただきました。特に、高山稲荷神社は、龍のようにうねる千本鳥居の列と水の流れが印象的で、今思い出しても「もう一度行ってみたい」と思わせるほど魅力的でした。(太宰治は「津軽の旅行は、五、六月に限る」と書いていますが)
『NATURAL』舞台探訪に関しては、まだ津軽の南部が残っているので、また機会があれば回るかもしれません。
以上、『咲-Saki-』,『CLANNAD』,『雲の向こう、約束の場所』,そして『NATURAL』をセットにした青森探訪紀行でした。