仮想と現実の真ん中あたり

主に舞台探訪とか聖地巡礼と呼ばれる記録をつづるブログ

アニメ「夏目友人帳」の舞台、熊本県人吉市に行って来ました。

GWの遠征記第二弾です。今年7月には第3期が放送される予定の、アニメ「夏目友人帳」の舞台である熊本県に行って来ました。




 地図付きの探訪記は、こちらで→アニメ「夏目友人帳」の探訪記


以下、その取材レポです。
(以下、続きで)

舞台探訪者の心得
 ・舞台を荒らさないこと。 ・住民に迷惑をかけないこと。 ・舞台での行動は慎重に。



咲-Saki-」の永水女子の舞台である霧島神宮を後にして、九州自動車道を北上。向かう先は、熊本県人吉市
そして最初に着いたのが…、


第一期第3話天狗橋付近


作中に通学路としてたびたび登場する橋。モデルの名前は、「天狗橋」といいます。横から見ると、まさに川に突き出した赤い天狗の鼻みたいです。


ここで、残念ながら2日間同行したQ氏が都合によりお別れの時間となったため、新八代駅までお見送り。
ついでに、第一期第9話に登場した「何樫駅」のモデルである八代駅を取材して、この日は終了。人吉市内に戻って、温泉ホテルに宿泊したのでした。


翌朝、とりあえず手近な物件を取材しようと、人吉駅へ。
人魚の妖が登場する、第二期第8話「不死の想い」。作中で民宿のおばあさん(千津さん)の通う駅のモデルがここですね。


第二期第8話人吉駅


さて、次に、夏目が地元を俯瞰する構図が人吉城址から見た風景じゃないかな〜?、と思ってレンタカーのカーナビに目的地を打ち込んだのですが、このナビがダメダメで、曲がるべきところで曲がれずに、人吉城址をずっと通り過ぎてしまって、「仕方ない、ここを右に曲がって戻るか〜」と橋を渡って戻ろうとした、その時。
目の前に現れた、それは…、








突然だが、ワトソン君、どうやら僕達は運が良いようだよ。
この鳥居を見て、何か思い出さないかい?
…え? 「わけがわからないよ」だって? 謎の白い生き物みたいな真似はやめたまえ。
これを見て思い出して欲しいのは、だね、





第二期OP.の、↑この神社だよ。
このアニメの背景から読み取れる事実は、次の通りだ。
 (1)小さな神社、境内は狭い
 (2)2階建ての家の右隣にある
 (3)小さな社のわりには急で高い階段
  →おそらく、背後は崖のような急斜面と推測出来る
さて、写真をもう一度よく見てみよう。





そう、まさに、『崖の下にある2階建ての家の右隣の狭い土地にある小さな神社』だよ。
これは、かなりの高確率で当たりを引いたと考えない方がおかしいじゃないか?
そう思って、車を止めて行ってみると、だね…、


第二期OP.天満宮


そこに、舞台があったというわけだよ、ワトソン君。


…と、多少推理を働かせたものの、ほとんど偶然です(笑)
これはもしかして、前日に霧島神宮で買った道案内の神様、猿田彦大神ストラップの御利益かも? ありがたやありがたや〜。


 


御利益はさておき、今回の探訪で実際に大きな威力を発揮したのは、携帯情報機器でしたね。
特に、id:rossetaさんの【舞台探訪】 夏目友人帳 - Google マップは、旅の最中に随時iPhoneでアクセスさせてもらってました。
そして、典型的なのは、ゆっきーさんからTwitterで前日に情報をいただいた、↓この物件。


第二期OP.相良村


第二期OP.の通学路ですが、難物件のため発見は無理だと思っていたのですが、なんと旅行中に発見情報が飛び込んで来ました。そして発見当日のうちに↑のマップが更新されて、翌日にスマフォの画面を見ながらカーナビに場所を打ち込むと、アッサリ舞台に到着してしまいました。これには驚き、そして感謝! 今回の旅は、ソーシャルメディアとスマフォの威力を実感した旅でもありました。


とはいえ、この「夏目友人帳」は広範囲に舞台が点在しているため、移動するだけでも大変な難物件でした。今回は事前情報がある分、先駆者の方よりも時間に余裕が出来るだろうと思ったのですが、全然読みが甘かったですね。
正味1日半だと、探索モードだったのは前半だけ。後半は探すのをあきらめて、後追いに徹してようやく廻り切れた、という感じです。


そして、「夏目友人帳」探訪、その最終日。
帰りの駅が新八代だった都合で最後に訪れたのが、この舞台。


第二期OP.八代市東陽町 笠松


第二期OP.に登場する印象的な石積みの橋ですね。これは、八代市東陽町にある笠松橋といいます。


笠松


それにしても、改めて見ても美しい橋ですね。戻ってから気になって調べてみると、橋本勘五郎による明治2年(1869年)の建築だそうです。
橋本勘五郎(Wikipedia)氏は、ここ熊本県八代市東陽町(当時の肥後藩種山村)生まれで、後には明治政府に請われて上京し、万世橋,浅草橋,江戸橋,京橋などを手がけた方といいますから、まさに熊本が生んだ異才ですね。
調べるまでは「なぜこんな離れた場所に舞台が?」と思っていましたが、由来を調べて納得。おそらくは、背景美術を手がけているような方なら、最初からこの橋の由来を知った上で、ここを訪れたという事でしょう。


熊本の地に生まれ育った職人さんがその才を認められて、全国の人々に愛される作品を生み出す。
それは、今も熊本の地で「夏目友人帳」の世界を描き続ける緑川先生にも通じる、一つのアートなエピソードではないでしょうか。
今回の旅を、この橋本勘五郎氏の生まれ育った地で終える事が出来たのも、これまた猿田彦大神のお導きかもしれません。


最後になりましたが、「夏目友人帳」の世界を生んだ原作者の緑川先生,アニメスタッフの皆様に、素敵な物語と、楽しい旅を感謝いたします。


ニャンコ先生「私も忘れるなよ〜」


そうそう、ニャンコ先生も、旅のお供をありがとうございました(笑)

 本記事内のアニメ「夏目友人帳」の画像の著作権は『「夏目友人帳」製作委員会』様にあり、ここでは当該作品の比較研究を目的として引用しています。