仮想と現実の真ん中あたり

主に舞台探訪とか聖地巡礼と呼ばれる記録をつづるブログ

最近の背景の超広角ぶりを検証する

咲-Saki-」第44局「咆号」の背景を、画角の違うカメラ,レンズで撮り較べてみました。
※文中で使われている『画角』,『35mm換算』などの用語については、↓を参照。
 焦点距離って何? 35mm換算って何?

 本探訪記内の「咲-Saki-」の画像の著作権小林立先生にあり、ここでは当該作品の比較研究を目的として引用しています。

※「咲-Saki-」探訪関連の記事一覧は、キーワード「咲-Saki-」で。


最初に登場するのは、第44局の扉絵。

第44局[咆号] 扉絵(YG '09年No.2号)
萌え系キャラの作品にはアンマッチなほど丁寧な背景が奢られた、いつもながらハイクオリティな扉絵ですね。
遠近感が強調される構図が多用されるのは小林先生の特徴。そして、この細かな描き込みにプラスして陰影で遠近感が表現された背景は、ヤオキン氏の作でしょうか? ('09.04.01 訂正)ヤオキン氏のブログによると、別の方が担当されたようです。
さて、この背景を同行のSUGI君が一般的なコンデジ(広角側35mm相当)で撮影してみたところ…、
コンデジ(画角35mm相当)
ご覧の通り、同じ撮影位置に立って撮影すると、全景が全然入りませんでした。
一方、私が持って行ったデジタル一眼では…、


AF-S DX NIKKOR 16-85mm F3.5-5.6G ED VR(画角24mm相当)
手持ちのレンズで最も広角の24mm相当(35mm換算)を使ったのに、まだ広角が足りない!
それならばと、友人のNさんから借り出したレンズで再挑戦したのが、↓
AT-X 124 PRO DX 12-24mm F4(画角18mm相当)
なんと! 画角18mm相当(35mm換算)の超広角レンズを使って、やっと全景を収めることが出来ました。
次にもう1枚、同じく第44局「咆号」から、P116-P117の見開きの背景です。


YG '09年No.2号 P116-P117号


コンデジ(35mm相当)3分割
コンデジでパノラマ分割撮影してくれたSUGI君、乙!
普通のコンデジで全景を収めようとすると、この通り「パノラマ分割祭り絶賛開催中!」になってしまいます。
う〜ん、「咲-Saki-」背景おそるべし…。


AF-S DX NIKKOR 16-85mm F3.5-5.6G ED VR(24mm相当)


AT-X 124 PRO DX 12-24mm F4(18mm相当)
ここでも、全景を収めるためには18mm相当の超広角が必要でした。
現在のコンデジでは最も広角な製品でも24mm相当なので、作品の取材で使われたのは超広角レンズを付けたデジタル一眼レフと断定出来ます。
どうやら、昨年の後半あたりから、現地ロケに超広角ズームが投入されたようですね。


さて、そうなると悩ましいのが舞台探訪用のカメラ選び。
一方のアニメ版「咲-Saki-」では、現地取材に35mm〜105mm相当のコンデジが使わているようです。
 「咲 -Saki-」舞台探訪(その2)(公式ブログ)
とすると、原作とアニメ版の舞台を一度に回ろうとすると、予想される画角は18mm〜105mm相当になり、こんな高倍率の広角レンズは今のところ存在しません
追記:単体では存在しませんが、広角のコンデジにワイコンを付けるとほぼカバー出来る事に気づきました。(ワイコンの例→) カメラ好きにはたまらないハイエンド広角デジカメ――リコー「Caplio GX100」 (5/6)
いくら一眼といえども、現地で背景撮影のたびにレンズを交換するのは面倒すぎるので、結論としては超広角ズームを付けたデジタル一眼とコンデジの2台体制が鉄板のようです。


…まぁ、特に画角にこだわらなくても「咲-Saki-」舞台探訪は十分楽しめますので、あくまで画角にこだわるコアなマニア向け限定の話ですが。


現時点で「咲-Saki-」用に超広角ズームを選ぶ場合、今後どこまで画角が広がるか分からないのが選択を難しくするところ。
値が張る純正を敬遠して比較的手頃なレンズで探すと、
 ・タムロン SP AF 10-24mm F3.5-4.5 Di II LD Aspherical[IF]
 ・トキナー AT-X 124 PRO DX 12-24mm F4
となり、画角優先だったらタムロンの一択ですが、絵がシャープなトキナーも捨てがたいものがあります。
…管理人は当分カタログを眺めているだけですが(笑)


最後になりましたが、今回の企画はSUGI君、Nさんの協力のおかげで作成出来ました。どうもありがとう!